持続可能な地域金融フォーラム in 九州

「持続可能な地域金融フォーラム in 九州」(by JPBV)へ行ってきました。

 金融における価値とは何でしょうか。融資を拡大し、貸出金を増やすことでしょうか。金融商品販売を通してフィーを稼ぐことでしょうか。そうではないはずです。持続可能な社会・経済・環境の発展をもたらすために「お金」という手段を活用していく、「価値を大切にする金融」を大切にすべきです。そんな考えから同じ志を持つ仲間を集め、設立された団体「THE JAPANESE PRACTIONERS FOR BANKING ON VALUES」(以下、JPBVと表記)が九州で主催した「持続可能な地域金融フォーラム in 九州」に参加してきました。

 本フォーラムは講演、パネルディスカッション、ワークショップで開催されました。

基調講演:持続可能な地域金融~第一勧信 新田理事長
 金融は資金を融通すること。資金は預金者から借り手に融通されます。預金者と借り手の間に存在するのが金融機関です。金融と聞くと大規模な融資や難しそうな金融商品をイメージされると思いますが、それは違います。金融とは本来「単体ではなく様々な産業と組合せで価値だすもの」です。収益拡大、金儲けにのみ突出することはサスティナブルではありません。
 日本の銀行は融資の際にHowとWhatを求めますが、Whyが、心がありません。心がなければ、地域金融機関の社会的存在意義が薄れてしまいます。地域金融機関の基本目的は「地域の繁栄」。価値は地域と職員の幸せです。地域が衰退しているということは地域金融機関が本来の目的を果たせていないということです。
 ブロックチェーン、IoT、キャッシュレス。現在、金融機関を取り巻く環境は激変しており、従来の階層型の組織構造ではなく、より迅速かつ的確な意思決定ができる構造の組織が必要になります。
 そうした中で地域金融機関が持続可能性を高めるにはデジタル化も選択肢の一つとして必要ではあります。一行で出来ないなら連携といったように広域地域連携もしくは分散型地域金融プラットフォームを拡充する必要があると感じます。
 「地産地消」という言葉が流行りましたが、「地産地消」は地域を分断します。私は東京発の地方創生「地産都消」を提唱しています。分断ではなく各地域との連携が求められているはずです。
 地域の観光資源は文化、食、自然、気候です。そうした資源を生かし、地域を発展させるには資源(お金、情報)が集中している地域金融機関と自治体の緊密連携が不可欠です。
 どれだけ、時代が便利になり、デジタル化が進んでも人と人とのつながりは残ります。金融なくして地方創生、社会課題の解決はできません。今こそ、我々「バンカー」の誇りを胸に金融を通して社会課題解決や地方創生といった「価値を大切にする金融」を目指すべきなのです。
 
パネルディスカッション
 パネルディスカッションでは第一勧信 新田理事長、肥後銀行笠原頭取、金融庁銀行第二課 島崎征夫、九州財務局 山本義英、NPOゆずり葉 清水菜保子(代表)の四名が熱い意見を交わしておりました。

ワークショップ
 新田理事長、地域金融関係者、地域活動実践者、NPO,行政等のみなさんと、幸せで関係性のある持続可能な地域金融についてワークショップが行われました。
 無農薬野菜を作り、それを食す場を作って活動している女性が、「立ち上げ時に一番困ったことはお金を借りられなかったことです。」ということを聞き、ワークショップの中で地元バンカー(信用金庫)の一人が、「自分も融資出来なかった事業かも」「でも、15年続いたという事実を知った。」「そう考えると自分たちが現在行っている金融では足りない、もっと直接話を聞き、一緒に考えることが必要だ。」と発言され、「価値を大切にする金融」が末端のバンカーにまで染み入ったことを感じました。
 BeSTA FinTech Labも参加している「JPBV」の活動、一層盛り上げていきたいと考えます。
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